ALCパネルの劣化症状について

ALCの外壁

家のメンテナンスを行うことはとても大事なことです。家のメンテナンスをすることにより、家が劣化していくのを防ぐことができ、劣化による症状を防ぐことができます。家のメンテナンスにもいろいろありますが、1つは外壁です。外壁をしっかりメンテナンスすることで雨漏りを防ぐことができ、外観も美しさを保っていくことができます。外壁材として今ではいろいろありますが、ALCパネルと言われる外壁材があります。このALCパネルの劣化症状などについて紹介していきます。

 

■ALCパネルとは

ALCパネルは日本語で、高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリートと呼ばれる材料です。略して軽量気泡コンクリートと呼ばれます。このパネルに使用されている原料としては、珪石、セメント、生石灰、発泡剤のアルミ粉末になります。このALCパネルがよく使われている建物としては、3階建て以上のマンションやヘーベルハウスや積水ハウスの建物でもよく見られます。表面には塗料が塗られており、定期的な塗り替えが必要になるため、ALCパネルの塗装を行うことも多くなっています。ALC専用の塗料はなく、サイディングやモルタルと同様の塗料を使います。

 

■ALCパネルの劣化症状

ALCパネルの劣化症状としてはサイディングと同じものが多いです。ALCパネルの劣化症状としては、ボルトでの劣化があります。ALCパネルは断面上部に固定された金物と鉄骨の溶接によって下の階の端から一枚ずつ順番に貼られていきます。窓の上などではボルトを貫通させて座金をはめ込み鉄骨に溶接して貼られ立て込みます。新築などでボルトを埋め込んだ場合、パネルとの間に隙間が生じてしまい、浮き上がってしまって隙間から雨水が侵入して劣化してしまうことがあります。その場合は浮き上がった部分を撤去して、錆を落として錆止めをしてからALC補修材などで埋めていきます。また、ALCパネルに入ったクラックから雨水が侵入して鉄筋が錆びてしまって膨張し、劣化してしまうことがあります。この場合、クラックの場所をUカットをして樹脂モルタルとシール材で補修をすることができます。また、何かの衝撃でALCパネルが欠けてしまうことがあります。コーナー部分はちょっとした衝撃で割とすぐに欠けてしまうため、これが劣化の影響となってしまうことがあります。稀ですが、新築の施工時のミスになどによって欠損部分を補修したパネルの使用、または見えないクラックが入って欠落するという可能性もあります。シーリングの上の塗膜が劣化してしまってひび割れてくると、その下にあるシーリングも劣化してきます。劣化したシーリングを塗膜ごとカッターなどで撤去していき、シーリング材を充填していきます。チョーキング現象が出た場合はその時点で塗り替えを行うのが理想的です。このような劣化症状とそれに伴うメンテナンス方法があります。

 

■ALCパネルのメリットとデメリットとは

ALCパネルを利用することで、まずは軽量という点が良いです。ALCパネルは気泡のあるコンクリートとなっています。軽量であることで、住宅への負担や施工の負担などもなく、工期短縮が可能になります。また、断熱性も高くなっています。ALCパネルはグラスウールなどに断熱材と併用することで、住宅の断熱性を高めていす。ALCの壁材の中では、断熱性の高い材料となっているため家の断熱性を考慮するならば、ALCパネルはとても良いパネルと言えます。また、ALCパネルは材料がコンクリートなので、耐火性も高くなっています。国土交通省による耐火構造の認定を受けているので、信頼性もあります。遮音性も高く、防音材として使用することもできる材料です。多構造であることからALCは湿度を調整する機能もあります。室内の温度を調節することもできます。

ただ、デメリットも存在します。ALCパネルは多孔構造であることから防水性がありません。防水性を高めるために塗布することができますが、防水性に関しては塗布の仕上げ材にかかってくるので、低い塗料を使用すると防水性は高くはなりません。また、吸水性も高くはありません。ALCパネルは水に弱いという特徴があるので、寒冷地であれば、吸収した水が凍ることで剥離してしまいます。このようなメリットとデメリットがあります。

 

■費用は

ALCパネルの塗装費用に関しては、仕上げ塗料によって値段が変わってきます。水性ウレタン系塗料であれば、1㎡の施工価格1300円からとなっています。水性アクリルシリコン系塗料であれば、1㎡の施工価格は1700円、ナノ系塗料であれば2800円となります。このように選ぶ塗料によって値段が変わってきます。塗料によって防水性は変わってくるので、よく考えることが必要です。

 

■まとめ

ALCパネルは軽量気泡コンクリートであり、耐火性や断熱性を合わせ持っているパネルです。耐水性が無いので、その分塗料で補います。劣化症状としてはひび割れやチョーキングなどがあるので、その都度修理してもらうことが必要になります。